霊共スイッチがるる鯖17Aに浸透するまで 前半

 霊共スイッチは2016年中旬からるる鯖17Aにおいてよく見られるようになった戦術。が、通常人狼をしていてよく見る戦術でもなく、わかめて鯖において流行していた期間を見たことがない(2014~2017年において)。

 霊共スイッチがセオリー化するまでになったるる鯖17Aの環境だが、その変化はある種異様であり、どのような経緯を経て流行し、セオリー化されたのかを記録したかったので調査を行った。

 また、明確に霊共スイッチについて書いているようなものが見当たらなかったので霊共スイッチについて書いておきたかった。

 

 

 

 

1       はじめに

霊共スイッチとはなんぞや って人向けの話

 

1.1   霊共アーマー(共有アーマー、霊能アーマー)

 霊共スイッチの先駆けとなった村側の戦術。

 『共有者が霊能COを行い、共有者が霊能者の代わりに噛まれることを狙う』行為。

 各種人狼動画でも見られるし、どっかのwiki(共有者 - VIPで人狼 Wiki*)にも記事がある程度に有名な戦術。

 

 成功すると霊能者を保護できる。村陣営の推理を邪魔するわけでもないため実行しやすい。また、護衛を占い師に向けてほしいという共有からの意思表示の意味合いもある。

 

 

 デメリットとして、

・霊能護衛が通常発生しないため2噛み払えば霊能を護衛に関わらず始末できる。

・霊能候補を噛むことによる狩の護衛平和が発生しない。 → 気楽に霊候補を噛める。

 

 霊能を噛みたい狼にとってはありがたい戦術ともいえる。そのためごく一部の狩人が霊共候補を護衛するといった事態も発生し、実質的に本末転倒なことにもなり得る(元々偏屈な狩人だったとして諦めるのが吉ではあるが)。

 

 霊能がフリーで噛まれるデメリットへの対応として、霊共アーマーから共有が噛まれた場合は撤回する。 → 狩の護衛候補に霊能も含める。といった変遷が見られたりもした。

 

 

1.2   抱き込み

 『相方第一犠牲者の共有者が霊能者を相方として巻き込む』行為。

 

 霊能アーマーの派生として行われた。霊能CO者は霊能者で確定しているため、そのまま相方として過ごしてもらいあわよくば狼に噛まれないといいな、という戦術。

 実際はわざとらしすぎて透けるといった問題(※1)や、信用勝負狙うなら霊候補の共有を初手で噛むことは狼としてはそこまで悪い手でもなく、正直抱き込みは行うには微妙に思える。

 共有第一における抱き込みは結局のところアーマーと効能は変わらず、霊共スイッチよりは見受けられる戦術でもあり奇襲性があまりない。霊から共有へのスライドを確認した狼が共有2名を放置で信用勝負を続行することはほぼ起こらないだろう。

 

※1

霊能「霊能CO!」

共有「共有CO!」

 

COが出揃った後

 

共有「相方霊能騙っていました。霊能欠けです」

霊能「共有CO!」

 

 とても三文芝居で基本透ける・。・

 

 

1.3   霊共スイッチ

 本題。端的に言うと『霊能者が共有CO、共有者が霊能COをする』行為。

 

 通常、「霊-共共」に見える内訳が、実際は「共-霊共」。霊能CO者を噛んでも霊能の代わりに共有が噛まれるだけ、という状況を作り出す村側の戦術。

 

スイッチの解除タイミングとして、

・狼が吊れた時

・占い師の●を吊った次の日

 

 基本的に以上の2点が解除タイミングである。前者はスイッチしている共有が霊結果○を出し続けることで霊能を騙り続けることを容易にするため。後者は言うまでもなく情報を村に落とすタイミングであるため。当然、占い候補が1人噛まれており、しばらく噛まれなかった占いの●を吊ってラインが切れた、程度では解除しなくてもいい。

 

 

 何より重要なことは、抱き込みで触れた三文芝居感を無くすこと。つまり、霊能者が初めから共有COを行うことである。

 

スイッチCOの流れ例:

霊能「共有CO」

共有A「霊能CO」

共有B「共有CO」

 

COが出揃った後、そのままグレラン進行。一見通常のCOの形に見えるので存在を知らなければ認知できない。

 

 当然、この実行において必要なことは『霊能も共有も霊共スイッチを理解している』こと。共有が理解していなければ、対抗共有に対して人外認定を行うことになるし、霊能が理解していなければそもそもこの形でCOが出揃うことがない。

 つまり、霊共スイッチが存在している環境を作らなければ成立しないのである。

 

 

※結局実行に必要なことと手順

霊能と共有の連携

COの形が普通の霊能COと共有COであるように見せる。(最も重要)

 

COタイミング自体は乗っ取りを疑われない速度

 普通の○進行で許される霊能COのタイミングで共有COする。

 同様に共有側も許されるタイミングで霊能COする。

 余りに遅すぎると逆に透けるし、結局乗っ取りの疑いが強まる。

 

霊能を騙っている共有は霊結果○を出し続け、霊能から●が吊れた知らせが来るまで待機する

 霊能騙りを共有が延々と続けるためのセオリー。

 

共有を騙っている霊能は●が吊れるまで共有で一貫する。

 要するに「昨日村人しか吊れないようなグレランだった」「まだ狼吊れていないと思う」とか、共有に霊結果を伝えようとしなくて構わない。●が吊れれば知らせる、でセオリー化することで無駄が省ける。

 

透ける例: No.392833「17A」村

よろず→にゃにゃんと[人狼]

 

初日狼-共-霊共。3日目にグレー噛み狼騙り●持ち追加。

14道案内してね(霊)

うらりょん(前日処刑者)吊りとか狼狙う吊りじゃない
もっと狼狙って吊りましょう

31道案内してね(霊)

うらりょん(前日処刑者)吊りで狼つれてる前提とか宮城さんの思考やばくないですか

35ズザ(共)

カヒリさん真っぽいからカヒリさん護衛でいいわ

3日目夜

にゃにゃんと

マジレスするとこれ道案内霊能にゃね

ぼくはくま

道案内噛み

カヒリ

任せますよ 道案内ならスイッチすると思うのでそれでいいと思います

にゃにゃんと

この発言とズザの護衛指示連呼的にスイッチにしか見えない
外したらすまん🙇

4日目の朝になりました(23:39:42)

「道案内してね」さんは無残な姿で発見されました(23:39:42)

 

 

※注意点

霊候補を狼が噛んできた際に撤回をするかは共有と霊能次第

 撤回を含めて狼へのブラフになることからどちらが優位かは迷うところ。村の空気で判断。基本的に狩人に霊能護衛も考えてほしいという意味で撤回を行う。

失敗例: No.372671「17A」村

 初日、占狂狼-共-霊共。霊能騙り共有噛まれ後、撤回せずそのまま共有騙り霊能噛まれ。

 

占い候補が噛まれた場合、基本的には撤回をしておく方が事故はない

 狼が占いを噛んだ後、護衛されていないであろう○を噛む意思でスイッチしている霊能が噛まれるといった事態を防ぐ意味合い。霊能を守るための戦術なのに霊能を噛まれる位置に置いては意味がない。

 

霊能が必要な場合は素直に撤回する方が事故は少ない

 4-1になる場合とか、霊能が明らかに必要になる場合。

失敗例: No.382467「17A」村

 よろず→ボーマット[霊能]

 

 途中で4-1にCOが増えているのだが、霊共スイッチ続行。結果的に共有騙り霊能が噛まれて死ぬ。個人的なちょいやらかしログ・_・

 

 

 実際に成功すると、当然ながら狼の霊結果隠しが不発に終わり(初手グレラン狼吊り、占い師の●吊り後のライン確認、信用勝負の崩壊 etc)、大きくアドバンテージを得ることができる。

 また、この形を組むことで困るのは狼側(と薄く狩人)だけであり、村陣営の思考を阻害することもなく行える戦術・戦略であるためメリットに対してデメリットがほぼない。やり得戦術として実際にるる鯖17A環境において非常に流行し、2017年中旬でも見られる戦術になっている。

 

 

2       霊共スイッチがるる鯖17A環境に浸透するまで

 本題の環境の流れ。

 霊共スイッチの説明の際に述べたように、霊共スイッチは環境に霊共スイッチの存在を知っている者がいないと成立しない。少なくとも霊能と共有が認知していないと成立しない。

 故に、霊共スイッチが流行った、ということは霊共スイッチが既知の戦術となるまでに多くのトライ&エラーが発生しているはずである。そのため、るる鯖2016年の17Aのログを全て調べた。

 本当に全て調べたし、普通に10時間くらいかかった。思い立ったのが10月頃でそこから暇な時間に調査を行うという普通に苦痛な作業だった。なんでこんなの調べたんだ(^ω^ )?

 大体流行り始めたであろう2016年6月付近の17Aログを絞り込み、一つ一つ霊能のCOを確認して回るというとてつもなく面倒な作業をこなした(☍﹏⁰)。

 

 以下、結果のまとめ。

 

調査対象:2016年のるる鯖17A普通村(RP村(ロンパ、刀剣、オールジャンル)、その他特殊村身内村は含めない)

 

・自発的に霊能者が共有COをしているログであること。

・霊能者が自発的に共有COを行っていれば成功に分類、共有者が主導していれば抱き込みに分類。

・不発は霊ロラや霊能の自発的撤回など、スイッチが不発になったもの。

・失敗は共有者が霊共スイッチを理解しておらず、スイッチが成立しなかったもの。

 

該当ログのリスト

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結果のまとめ

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・合計=成功+抱き込み+失敗+不発

・スイッチ実行割合=合計/村数

・成功率=(成功+抱き込み)/(合計-不発)

 

 調査結果から言えることをつらつらと書いていく。

 

2.1   霊共スイッチの流行り始め

 スイッチの際に『霊能が自発的に共有COしている』ログを調査し、データとしてまとめた。

 2016年1~5月は今では信じられないほどに霊能者の自発的な共有COが少ない。戦術として一部のPLには認知はされているが環境には存在していない状態。

 さらにほぼ全て不発に終わっており、戦術として成立していない。(成功例も抱き込みの派生のみ)

 また、該当のログを開けばわかるが特定の人物しか実行しておらず、戦術として全く浸透していない状態である。そのため、霊能と共有の連携が全くなされていない。

 

 

2.2   初めての成功

 ログを掘り起こしていき、初めて成功したログに行き当たる。

 

初の霊共スイッチ成功ログ20160608:No.363320「17A」村

 

 6月ごろにスイッチを見るようになったという記憶は正しかったらしく、2016年6月8日にスイッチ成功ログが見つかる。

 共有が霊能を騙り、霊能が共有を騙り、そのまま共有が霊能として噛まれ、霊能がライン切れを伝える。綺麗に成功している。

 

 

2.3   続々と成功例が増える

 さらに『霊能が自発的に共有COしている』ログを掘り起こしていき、6~8月には非常に多数の成果が出た。

 

6月 村数:115 スイッチが起きた村:13 スイッチ実行率:11% 成功率:60%

7月 村数:141 スイッチが起きた村:22 スイッチ実行率:16% 成功率:85%

8月 村数:126 スイッチが起きた村:25 スイッチ実行率:20% 成功率:70%

 

 また、9月にはスイッチ成功率が100%となっており、(村数が過疎気味になり少ないものの)浸透した結果が伺える。2017年6月からスイッチが17Aに浸透し始め、『霊能者が初めから共有COを行う』環境が2017年7,8月に形成されたといえる。

 

 その後、10~12月は過疎化が進み、霊共スイッチを知っているPL自体が減ったためかスイッチ実行率も成功率も落ちている。

 

2.4   セオリー化

 17Aにおいて一つのセオリーとしてある村側の戦術として潜伏占いがある。わかめてでも当然見る戦術であるし、17人普通配役においてはどこにでもあるメジャーな戦術。

比較のために、村母数の多い2016年7,8月の潜伏占いが行われている村を追加で調べた。

 

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 占いは初手●、初手呪殺と潜伏占いが起こらない条件も存在するが、霊共スイッチも黒進行COなし展開、霊ロラ展開では基本成立はしないため、その条件の揺れは無視する。

 結果的に言うと、2016年7,8月において潜伏占いと霊共スイッチはほぼ同数起きているのである。少なくとも2016年7,8月のるる鯖17A環境において霊共スイッチはセオリー化されていたといえる。

 

後編へ続く

 

 

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